ARTISTアーティスト紹介
伊藤哲
生成流転
万物が織り成す生死の営みを、穏やかな時間表現とともに描き、数多(あまた)の存在に宿る宇宙の壮大さを画面に展開する
日本の絵画史の上で、巻物を右から左に少しずつ開きながら物語を追っていく絵巻物語のスタイルは、挿絵と物語が一体になり、洗練された日本独特の芸術表現形式を生み出した。
伊藤哲は、日本人のDNAに刻まれた原風景を現代に蘇らせ、「やまと絵の再構築」という命題に目覚め、新境地を切り開く。
人の心の奥底に流れる、深い感情の襞(ひだ)を心にしみて受け取った王朝人の情緒は、そのまま現代に生きる私たちの暮らしへと自然に受け継がれている。
巡りめく季節の流れの中で、雪が降り、花が咲き、風が吹き、月がさえる雪月花の日本独特の美世界を、伊藤哲の作品はこの古典の世界に題材をとり、日本古来の伝統美と現代にも通ずる瀟洒(しょうしゃ)な装飾性において、象徴美の世界まで高めている。
2016年、江戸琳派の祖、酒井抱一から始まる酒井家雅号「雨(う)華(げ)庵(あん)」を継承し、琳派作家として独自の世界を確立する。
江戸琳派の持つ「侘び・寂び・粋」を受け継ぎ、これからますますの活躍が期待される。
作品
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曙(あけぼの) 四季シリーズ春
(彩版画) -
午後の風 四季シリーズ夏
(彩版画) -
冬日(とうじつ) 四季シリーズ冬
(彩版画)
略歴
1962年 | 千葉に生まれる |
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1986年 | 東京芸術大学美術学部油画科専攻卒業 |
1988年 | 東京芸術大学大学院美術研究科版画専攻修士課程修了 |
1995年~1996年 | 淡路町画廊個展 |
1998年 | INAXギャラリー個展 |
1998年~2010年 | 金刀比羅宮干支絵馬制作(十二支) |
2000年 | 電通恒産画廊個展 |
2001年 | 長徳寺 須彌壇蓮花絵図制作 |
2002年 | ハナエモリ オープンギャラリー個展 |
2003年 | 平和へのメッセージ展 佐藤美術館 長徳寺 仏涅槃図制作 |
2006年 | 京王プラザホテル個展 |
2007年 | 第4回エッジ展 高知県立美術館 県民ギャラリー |
2008年 | ニューヨーク アートエキスポ出展 武蔵野美術大学 αMプロジェクト フローラ・新本草図譜集展 百花繚乱展 高知県立牧野富太郎記念館 東武百貨店池袋店 個展 ―四季変奏― |
2009年 | 国登録文化財・近藤家住宅「下総開国図」襖絵制作 |
2010年 | 東武百貨店池袋店 個展 ―和歌(うた)の響きに― |
2011年 | 「鷹見明彦追悼展」表参道画廊 |
2012年 | 大寶寺(福島県) 仏涅槃図制作 東武百貨店池袋店 個展 -花ごころ・歌ごころ- |
2013年 | オンワードギャラリー日本橋 個展 |
2014年 | 東武百貨店池袋店 個展 ―嵯峨本考― 江夏画廊 個展 |
2016年 | 酒井抱一から始まる酒井家雅号「雨華庵」を襲名する |